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イトロ処理とは
イトロ処理とは、火炎を形成するため燃料ガス中にシラン化合物等を導入し、その火炎を用いて固体基材表面に処理を施すことで、主にSiO2を構成成分とするナノレベルの粒子が、処理された基材表面に多数形成され、火炎(フレーム)による酸化反応と共に、各種基材と塗料、インク、接着剤との密着性を大幅に向上させることが可能な表面処理方法です。
従来の基材表面のみを改質する処理方法(フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理)とは異なり、イトロ処理は新しいコンセプトの表面処理方法です。
処理方法は従来のフレーム処理と同様な扱いで、基材表面をフレーム下に通過させるだけです。
処理時間も1~3秒程度で瞬時に終了します。
イトロ処理の効果
イトロ処理を施すことにより、基材表面の親水性が大幅に向上します。
濡れ指数試薬で測定した場合は73ダイン以上、接触角で測定した場合は10度以下になります。
濡れ指数の測定結果
材質 | ガラス | PP | HOPE | ステン | アルミ |
---|---|---|---|---|---|
現状 | 35程度 | 40程度 | 38程度 | 34程度 | 40程度 |
コロナ処理後 | 35程度 | 46程度 | 46程度 | 34程度 | 40程度 |
フレーム処理後 | 35程度 | 52程度 | 50程度 | 34程度 | 46程度 |
イトロ処理後 | 73以上 | 73以上 | 73以上 | 73以上 | 73以上 |
※dyne数 和光純薬工業製 ぬれ張力試験用混合液
接着性向上効果
イトロ処理を施すことにより、各種材料間の接着性を向上させることができます。
特に、従来、接着に問題のあった異種材料間の接着に効果を発揮します。
(例:シリコーンゴムとプラスチックの接着、PPとウレタンの接着など)
プライマーレス効果
イトロ処理は、通常のウェットでのプライマー処理を施した状態と同じような効果があります。
このことから、端的にいうとイトロ処理はドライ方式によるプライマー処理といえるでしょう。
帯電防止効果
プラスチック基材にイトロ処理を施すことにより、電気抵抗値で106~108程度の数値を示します。 これにより、樹脂に帯電防止剤を入れた場合と同等の帯電防止効果が得られ、埃等押し当て引き上げ紙屑の付き具合をみる